先ほど、3チャンネルでひさびさに
クラシック音楽を見た。(NHK クラシック音楽館)

番組の終わりの方(22時45分過ぎ~23時)で

先月80歳で亡くなった クラウディオ・アバド

指揮するモーツアルトの「レクイレム」を

演奏したVTRを流していた。

2012年の
ドイツの演奏会場だったと思う。

病後からか、ずいぶんやせていた。

2年前だから 78歳の時だ。

abbad.jpg



曲が静かに終わった・・・・。

アバドは両手を胸の前で合わせ、

黙祷しているように見えた。

「レクイエム」は終わっている・・・。

なのに、聴衆はすぐ拍手をしなかった。

静寂があった。

アバドは あたかも自分のためのレクイエムの

ように 祈っていたのだろうか。


聴衆は それを感じて、じっとしていた。

アバドが胸からウデを下ろしたとたんに

割れんばかりの拍手が起きた。

「うわーっつ、すごい」


もし東京のサントリーホールだったら、

”知ったかぶりのクラシックファン”が

曲が終わったか終わらないうちに われ先にと

「ブラボー!」と叫び、拍手という ”騒音”を

出してしまっただろう。



でも ”本場”は違うようだ。


指揮者の気持ちと一緒に 静かに終わったあとの

余韻を深く感じる大人の世界があるようだ


【クラウディオ・アバド】
1933年 イタリア、ミラノ生まれ。
カラヤンの後継者といわれた。
ウイーン国立歌劇場音楽監督、ベルリンフィル指揮者
などを歴任。
2014年1月20日死去







 カテゴリ

 タグ